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【長期インプレ】IRC Jetty Plus(35c)の寿命。e-bikeで約1,800km走って見えた耐久性の現実。

## 【長期インプレ】IRC Jetty Plus(35c)の寿命。e-bikeで約1,800km走って見えた耐久性の現実。

3月にSpecialized Turbo Vado SL EQの足元として導入した「IRC Jetty Plus(35c)」。

これまでロード用のお下がりタイヤを履かせていた日常の相棒に、初めて実用向きの専用タイヤとして選んだ一本でした。しなやかな乗り味と35cの安定感には満足していたのですが、約1,800kmを走破したところで寿命を迎えました。

タイヤの摩耗サインであるTWI(Tread Wear Indicator)が完全に削れきり、交換を余儀なくされることに。今回は、しばらく使い込んだからこそ分かった「耐久性のリアル」を率直に書き残しておきます。

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### 1. 約1,800kmでの寿命。正直な感想

結論から言うと、**「思ったよりもかなり寿命が短かった」**というのが本音です。

レーシングタイヤならいざ知らず、トレーニングや街乗り・通勤を想定した実用タイヤであれば、少なくとも3,000〜4,000km程度は持ってくれることを期待していました。それが2,000kmに満たない約1,800kmでTWIが消失してしまったのは、少し残念な結果と言わざるを得ません。

### 2. 摩耗を早めた要因を考える

もちろん、タイヤ単体の問題だけではなく、使用環境による影響も大きかったと感じています。

* **e-bike特有の車重:** フェンダーやラックを備えたVado SL EQは、通常のロードバイクと比べて明らかに重い。
* **アップダウンと駆動トルク:** 坂道の多い環境下で、発進や登坂のたびにタイヤへ継続的な負荷がかかり続けたこと。
* **しなやかさの裏返し:** 乗り心地が良かった反面、コンパウンドが実用タイヤとしては比較的柔らかく、削れやすかった可能性。

アシストを過剰に使わない乗り方を意識していたとはいえ、車体重量と登坂負荷の組み合わせは、想像以上にトレッドゴムを酷使していたようです。

### 3. コスパと乗り心地は良かっただけに惜しい

Jetty Plusの名誉のために付け加えておくと、走りの質感そのものは非常に優秀でした。
ワイヤービードの重いタイヤのような鈍重さはなく、35cらしい安心感とクッション性、荒れた路面でも不安のないグリップ力は日常のライドを快適にしてくれました。

価格も手頃で導入しやすいタイヤですが、これだけのペースで交換が必要になるとなると、ランニングコストや交換の手間を含めた「トータルの実用性」という点では評価が分かれるところです。

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### まとめ:次のタイヤ選びに向けて

「しなやかで乗り心地が良い実用タイヤ」として好印象からスタートしたJetty Plusでしたが、e-bikeでのハードな日常ユースにおいては、**耐摩耗性が最大のボトルネック**となることが分かりました。

身をもって約1,800kmというライフを計測できたことは、一つの良いデータです。
これを踏まえ、次期タイヤには多少のしなやかさを犠牲にしてでも、耐摩耗性や対パンク性能に特化したロングライフなモデルを選んでみようと考えています。

【2,500kmインプレ】R5 × Alpinist CLX III。激しいアップダウンで確信した「疲労感の少なさ」という性能。

【2,500kmインプレ】R5 × Alpinist CLX III。激しいアップダウンを生き抜く、疲れなき機材の最適解。

前回の記事で、数々のディープリムやハイエンドホイールの遍歴を経て、現在のCervélo R5にローハイトな「Roval Alpinist CLX III」を組み合わせたお話をしました。

「ローハイト×高剛性」という自分なりの結論を出してから、さらに距離を重ね、気づけばこの組み合わせで2,500kmほどを走り切っていました。

今回は、私が普段走る「アップダウンの激しい地域」でしばらく使い込んだからこそ見えてきた、リアルな長期インプレッションをお届けします。


1. 激しいアップダウンで際立つ「疲労感の少なさ」

私のホームコースは、平坦が少なく常に登るか下るかを強いられる、非常にタフな地形で構成されています。

ディープリムを履いていた頃は、斜度の変化に合わせて「慣性を維持するために踏み直す」必要があり、アップダウンを繰り返すうちにジワジワと脚と体力が削られていました。走った後のぐったりとした疲労感は、ある意味でディープリムの「速さ」と引き換えの代償だったと言えます。

しかし、Alpinist CLX IIIに変えてからの2,500kmは、驚くほどスムーズでストレスのない走りに終始しています。

リム外周部の圧倒的な軽さとカーボンスポークの確かな剛性のおかげで、斜度変化に対するバイクの反応がとにかく機敏。無駄に脚に力を溜めることなく、スッと坂に入っていけるため、翌日に残る疲労感が劇的に少なくなりました。

2. 「33mmハイト×30c」がもたらす極上の乗り心地

この疲労感の少なさをさらに支えているのが、ホイールの反応の良さに加えて、30cのワイドタイヤを選択している点です。

33mmという低いリムハイトが横風のストレスを完全にシャットアウトし、そこに30cのエアボリュームが加わることで、路面からの不快な微振動を驚くほどきれいにいなしてくれます。

カチッとした芯のある剛性感はあるのに、乗り心地はどこまでも優しく、まるでシルクの上を滑っているかのようなスムーズさ。この「機敏さ」と「極上の快適性」の共存は、これまでのどのペアリングでも味わえなかった新感覚です。


まとめ:2,500kmを経て、確信は本物になった

「ディープリムを手放したのは、本当に正解だったのだろうか?」 パーツを大きく変えた直後は、誰しもそんな一瞬の迷いを抱くものかもしれません。

しかし、激しいアップダウンを2,500kmともに駆け抜けた今、その迷いは完全な確信へと変わりました。

46-36Tのギア比をフルに使い切り、33mmハイトの軽快さで登り、30cの快適性で下る。 タイムや速度という呪縛から解放され、純粋に「走る楽しさ」と「身体への優しさ」を追求した今のR5は、私にとってこれ以上ない完璧なバランスで行き着いた、一つの「上がり」のカタチです。

歴代の「ペアリング」を経て辿り着いた、リムハイトと楽しさの真実。

これまで、多くのトップグレードのフレームと、それ以上に多くのハイエンドホイールを履き替えてきました。 振り返れば、それは単なるスペックの追求ではなく、それぞれのフレームに対して「自分好みのバランス」を導き出すための、終わりのない旅だった気がします。

今回は、私の機材遍歴を振り返りながら、今ようやく辿り着いた「リムハイトと楽しさ」の結論について書きたいと思います。


歴代の「フレーム×ホイール」ペアリング遍歴

私のバイク史を支えてくれた、歴代の組み合わせがこちらです。

  • Pinarello Prince (Rim Brake)
    • Scope R3 / Bora WTO 45
  • S-Works Venge (Disk)
    • CLX 64 / CLX 50 / Alpinist CLX
  • Cervélo Caledonia-5

    • Alpinist CLX / Bora Ultra WTO 45 / Hyperon Ultra
  • S-Works Tarmac SL8

    • Hyperon Ultra / Bora Ultra WTO C23 60
  • Cervélo R5

    • Bora Ultra WTO C23 60 / Alpinist CLX III

「速さ」の代償と、「楽しさ」への回帰

これだけ多くの「名作」を使い込んできましたが、自分の中で最も好印象だったのは、リムブレーキ時代の Scope R3 と、現在の Alpinist CLX III でした。

この2つに共通しているのは、「低いリムハイト」と「圧倒的な剛性感」です。

ディープリムが教えてくれたこと

CLX 64やBora Ultra 60のようなディープリムには、確かに圧倒的な性能があります。時速35km/hを超えてからの巡航性能や、風を切り裂く加速感は本物です。 しかし、その「速さ」を維持するためには、常に高いコスト(疲労)を支払う必要がありました。

  • 横風に対する絶え間ない緊張感。
  • 慣性に負けないよう踏み続けなければならないプレッシャー。
  • 剛性の高さゆえに、じわじわと削られていく脚のリソース。

ディープリムは、タイムを競う「速く走ること」に対しては確かな性能を発揮しますが、私にとって「走ること自体を楽しむこと」には、実はあまり向いていなかったのです。

33mmハイトという「解放」

今のR5に合わせているAlpinist CLX III(33mm)には、そうした「見えない重圧」が一切ありません。

横風に怯えることもなく、加減速は羽のように軽い。 「もっと速く踏め」と急かしてくるディープリムとは対照的に、このホイールは「どこへでも、どんなペースで行ってもいいよ」と背中を押してくれるような優しさがあります。

46-36Tというギア比を選び、自分のペースで登りや散歩を楽しむ今のスタイルにとって、この「低ストレスで疲れにくい、ダイレクトな剛性感」こそが、最高の正解でした。


まとめ

多くのバイクを乗り継ぎ、様々なリムハイトで風を切ってきた結果、私は「ローハイトでカチッとした剛性のあるホイール」こそが、最も自分を自由にしてくれると確信しました。

スペック表の数値や空力データだけでは語れない「楽しさの質」。 その長い旅の終着点として、今のR5とAlpinist CLX IIIの組み合わせは、私にとっての「完全なるバランス」です。

「速さ」を少し手放した先には、自転車を始めたばかりの頃のような、純粋で、疲れを知らない「楽しさ」が待っていました。

アウター46Tの真実。リア1枚分の差がもたらす「使い切る」という贅沢。

Cervélo R5の最終形態に向けて、私が最後に取り組んだのがギア比の変更でした。 選んだのは 46-36T。 ロードバイクの標準的なコンパクトクランク(50-34T)から、あえて外れる選択です。

アウターが50から46に変わると聞くと、大きな変化に感じるかもしれません。しかし、物理的なギア比で言えば、実はリアのスプロケットが1枚分変わる程度の差でしかありません。

ですが、この「わずかな差」が、ライドの質を劇的に変えてくれました。


1. 「使い切っている」という全能感

50Tを使っていた頃は、平坦路でもスプロケットのトップ側(重い方)の数枚は、ほぼ「飾り」のような状態でした。下り坂でしか出番のない重いギアを、常に持ち歩いている。どこか機材を持て余しているような、もったいない感覚が拭えませんでした。

アウターを46Tに下げたことで、平坦からちょっとした登りまで、アウターのままカセットの全域を効率よく使い切れるようになりました。 「自分の脚で、この機材のポテンシャルを100%引き出している」 この感覚は、ホビーライダーにとって何物にも代えがたい快感です。

2. レースをしない人の「正解」

私たちは1分1秒を争うプロレーサーではありません。時速50km/h以上の高速域で踏み続ける場面なんて、日常のライドにはほとんど存在しないのです。

それならば、めったに使わない最高速のために重いギアを維持するよりも、自分が一番よく使う速度域で「一番効率の良いチェーンライン」を選べる方が、遥かに合理的です。 見栄を捨てて実利を取る。これこそが、非レース派のサイクリストが行き着く、一つの完成形ではないかと感じています。

3. 「36T」でも登りが楽になった理由

インナーについても、34Tから36Tへとあえて大きく(重く)しました。 普通に考えれば登りはキツくなるはずですが、実際には逆でした。

実測 6.47kg という圧倒的な車体の軽さと、Alpinist CLX IIIの回転効率が、ギア比の重さを完全に上書きしてしまったのです。 「軽すぎるギアで回しすぎて心拍を上げる」のではなく、「適度な重さ(36T)に脚を乗せて一定のリズムで踏み抜く」。 このバランスが、結果として登り切るまでの脚のダメージを最小限に抑えてくれています。


まとめ

アウター46T。 それは、物理的にはリア1枚程度の変化。 けれど、その差が「背伸びしたライド」を「等身大の楽しいライド」に変えてくれました。

「もっと速く」ではなく「もっと自在に」。 このギア比は、私のR5を、どこまでも自由で、どこまでも使い切れる最高の相棒にしてくれました。 レースに出ないすべてのサイクリストに、この「使い切る贅沢」を心からおすすめしたいです。

「お下がり」卒業。Turbo Vado SLに、初めて専用タイヤ「IRC Jetty Plus 35c」を導入した理由。

メインのR5が「究極の趣味車」として完成した一方で、私の日常を支える最強の実用車、Specialized Turbo Vado SL EQにもアップデートを施しました。

今回のメニューはタイヤ交換です。

「ロードのお下がり」からの脱却

これまでのVadoには、ロードバイクで使い古したタイヤを装着していました。 28cや30cのハイエンドなレーシングタイヤを「まだ使えるから」と流用していたのですが、ふと気づいたのです。

「このバイクに求めているのは、繊細なレーシング性能ではなく、圧倒的な安定感と信頼性ではないか?」

そこで今回、Vado用として初めて新品のタイヤを購入しました。 選んだのは、IRC Jetty Plus(ジェッティプラス)の35cです。


なぜ「Jetty Plus 35c」なのか?

数あるタイヤの中からこれを選んだのには、明確な理由があります。

1. 35cという「実用的なボリューム」

私はVadoに乗る際、あまりアシストを多用しないスタイルです。 そのため、30cから35cへの変更は少し発進の重さを感じますが、それを補って余りある「圧倒的な安定感」が手に入りました。歩道の段差や荒れた路面での安心感が劇的に向上し、実用車としてのキャラクターがより明確になりました。

2. 意外な「しなやかさ」と軽さ

実用タイヤということで硬さを覚悟していましたが、意外なほどしなやかです。 今回選んだモデルはワイヤービードではない(フォールディングタイプ)ため、35cというボリュームの割には重量増が抑えられています。アシストを多用しない私にとっても、このバランスは非常に心地よいものでした。

3. どこへでも行けるタフさ

先日、近所の軽めのグラベルを走行しましたが、Jetty Plusの耐久性は全く問題なし。 繊細なレーシングタイヤを「パンクしないか」と怯えながら使うストレスから解放され、気の向くままにどこへでも突っ込んでいける自由を手に入れました。

まとめ:適材適所の心地よさ

R5には極薄のレーシングタイヤ(AGILEST)を。 Vadoにはタフで太い実用タイヤ(Jetty Plus)を。

お下がりを卒業し、それぞれのバイクの役割に合った「専用の足元」を用意したことで、Vadoへの愛着がまた一段と深まりました。 これからはこの頼もしい相棒と、より自由に日常の探検を楽しもうと思います。

ギアは重いのに、脚は終わらない。36T×Alpinistがもたらした「登りのパラドックス」。

「このR5は楽で楽しいけれど、速くはない」 先日そう書きましたが、しばらく走り込んでStrava(走行データ)を見返したとき、とんでもない事実に気がつきました。

登り区間で、自己新記録(PR)を連発していたのです。

今回は、遅いと思っていたのが完全に私の錯覚だったこと、そしてこのバイクで起きている「不思議な現象」について書きたいと思います。

インナー「36T」のパラドックス

今回のカスタムで、チェーンリングを50-34Tから46-36Tに変更しました。 アウターの小型化に目が行きがちですが、実はインナーは34Tから36Tへと大径化(重く)なっています。

物理的に考えれば、登りのギアは以前より重く、脚への負担も増しているはずです。 しかし実際に登ってみると、まったく逆の現象が起きました。

「重いギアを踏んでいるはずなのに、脚へのダメージが少ない」のです。

これまでのバイクでは、登りの後半になると乳酸が溜まり、「頂上までもう踏み切れない…」と脚が終わってしまう感覚がありました。 しかし今のR5は、インナー36Tで登っているにもかかわらず、その感覚が極端に少ないのです。頂上まで、一定のリズムで綺麗に踏み切り、そしてタイムも更新している。完全に感覚がバグっています。

なぜ「脚が終わらない」のか?

重いギアなのに脚が残る。このパラドックスを生み出しているのは、間違いなく機材のトータルバランスです。

  • Alpinist CLX IIIの圧倒的な軽さとカーボンスポーク: ペダリングの一瞬の隙(死点)でもバイクが失速せず、スッと前に進んでくれます。そのため、力任せに「踏み直す」という筋肉の無駄遣いがなくなりました。
  • Agilest 30cの乗り心地: 路面の細かな抵抗をタイヤが吸収し、推進力のロスを防いでくれています。
  • 36Tの適度な抵抗感: ギアが軽すぎない(スカスカしない)ことで、かえって体重を乗せた一定のリズムが作りやすくなりました。

実測6.47kgという圧倒的な車体の軽さがギアの重さを相殺し、機材の効率の良さが「筋肉へのダメージ」を最小限に抑えてくれているのです。

ただし、平坦基調は「リアルに遅い」

一方で、私の「速くはない」という感覚が正しかった部分もあります。 それは「平坦基調」のルートです。

ここに関しては、以前乗っていたS-Works Tarmac SL8や、60mmハイトのBora Ultra WTOには明確に劣ります。空力と最高速を犠牲にして成り立っているため、平坦を高速巡航するシチュエーションでは、物理法則通りに「遅さ」を感じます。

まとめ:大きく変わった「走りの感覚」

  • 登り: 36Tの重さを感じさせず、脚を残したまま頂上まで踏み切れる(しかも速い)。
  • 平坦: 空力と最高速を捨てたため、事実として遅い。

絶対的なスピード感や、力任せに踏み込む楽しさはなくなりました。 しかしその代わりに、「脚へのダメージなく、どこまでも一定のリズムで登っていける」という、全く新しい走りの感覚を手に入れました。

「タイムを追うのはやめた」という気持ちに嘘はありませんが、気がつけば自己ベストを出してしまうこの魔法のような自転車と、これからも新しい道を走っていきたいと思います。

コースすら決めなくなった。R5最終形態が思い出させてくれた、ロードバイクを始めた頃の「あの感覚」。

Roval Alpinist CLX III、Agilest 30c、そして46-36Tというセッティングに行き着いたCervélo R5。 この「速さを捨てた」仕様で何度も走り込むうちに、私自身のロードバイクとの付き合い方が、根本から変わってしまったことに気がつきました。

結論から言うと、このR5は「楽で楽しいけれど、決して速くはない」自転車です。 そしてその事実が、私に信じられないほど豊かな変化をもたらしてくれました。

コースを決めて走っていた「SL8」時代

以前、S-Works Tarmac SL8に乗っていた頃は、家を出る前に必ず「今日のコース」を決めていました。 「あの登りでタイムを測ろう」「今日はこのルートをこのペースで走り切ろう」という、明確な目的があったからです。 それはそれで、スポーツとしての達成感に満ちた素晴らしい時間でした。

しかし、今のR5に乗るようになって、私は「コースすら決めずに走り出す」ことが増えました。

絶対的なスピードが落ちたことで、タイムへの執着が嘘のように消え去りました。 「いつものコースで過去の自分と戦う」という楽しみ方がなくなり、代わりに「時間があるから、少しだけ走ろうかな」と、気負わずサドルに跨る日常がやってきたのです。

「知らない道」に入るワクワク感

目的もなく走り出し、何となくペダルを回す。 そして、ふと目についた「知らない道」に、何となく入ってみる。

走りながらそんなことをしている自分に気づき、ハッとしました。 「これ、ロードバイクを始めたばかりの頃の感覚だ」と。

自分が一体どれくらい走れるのかも、どこに繋がっているのかも分からないまま、ただ「遠くへ行ける魔法の乗り物」を手に入れたワクワク感だけでペダルを回していたあの頃。 タイムもアベレージスピードも気にせず、ただ純粋に自転車で走ること自体を楽しんでいた頃の感覚に、今の私はそっくりなのです。

まとめ:一周回って辿り着いた「原点」

速く走るための暴力的な剛性も、空気を切り裂くエアロダイナミクスも、今の私には必要ありませんでした。

6.47kgという圧倒的な軽さ、30cタイヤの極上の乗り心地、そして使い切れる46Tのギア。 これらが組み合わさったR5は、タイムと引き換えに、私を「コース」という縛りから解放してくれました。

ハイエンド機材を乗り継ぎ、行き着いた先が「初心者の頃の純粋な楽しさ」だったというのは、なんだか不思議な気分です。 でも、今の私にとって、これ以上の贅沢はありません。

「楽で、楽しい。ただ、速くはない」 この最高の相棒と共に、これからは気の向くまま、まだ知らない道をのんびりと探検していこうと思います。